右上腹部の↑の嚢胞状病変は図5の肝門部から始まり,図15で盲端になるので胆嚢であろう.短軸5cm,長軸8cm(図5から図15まで10スライス)以上あり腫大し,壁の造影効果が極めて弱い.最も特徴的なのは図6から肝臓と胆嚢間に結腸が存在し,肝臓と胆嚢がほとんど接触しない,すなわち浮遊胆嚢(floating gallbladder)であることである.腫大し,壁の造影効果が減弱し,さらに浮遊胆嚢であれば胆嚢捻転を疑う.急性胆嚢炎と診断され,経肝的ドレナージは不可能と判断し手術となった.図Aは手術記録,図Bが術中写真で,180度捻転し壊死に陥った胆嚢であった.
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