図13〜図15で腹水(※)を認める.拡張した小腸があり,gaslessとは言えないし,腸間膜の浮腫も不明だが,子宮摘出後の腸閉塞と思われるので骨盤腔内の腸管に注目する.図15のAと1から追跡すると図11のEと5で閉塞し,約15cm長のclosed loopを形成している.その周辺には虚脱した小腸(SB)があり,図10の丸数字1から単純閉塞の腸管が拡張し始め数字順に展開する.従って,A〜Eと1〜5は絞扼性された小腸であり,絞扼性小腸閉塞と診断できる.壁の造影効果は減弱しており,壊死に陥っている可能性が高い.SC:S状結腸.イレウスチューブを挿入したが腹痛の改善はなく,発熱も出てきたので3日後に手術となった.20cmの回腸が癒着した腸間膜の間隙に嵌入し壊死に陥っていた(図A:↑).
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