上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ25 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ER 122】

:絞扼性小腸閉塞(壊死).Strangulated obstruction with necrosis








図1で胃と十二指腸が極度に拡張しているので,図2の丸数字1から肛門側へ追跡すると,図9の丸数字17の上部空腸で閉塞する.となりの図10の1からまた拡張するので数字順に追跡すると図11の20で閉塞し,closed loopを形成している.図15と図16の▲は腸間膜の浮腫を示しているが,図14の△は図13の小腸4を,図17の△は図18の小腸13の一部分を示している可能性がある.図10〜図12で虚脱した小腸(SB)があり,上部空腸の絞扼性小腸閉塞と診断できる.図20の小腸11からスタートしても同じ結果になる.Closed loopの腸管は図14〜図17の白矢印部分以外は明らかに造影効果が減弱しており,壊死に陥っていると判断する.珍しく腹水を認めない(画像省略: 必ず例外はある ).腹膜刺激症状を認めなかったが,正確にCT診断され手術となった.Treitz靱帯から15cmの部位でバンドによる,closed loopを形成した絞扼性小腸閉塞を認め,約30cm長の空腸が壊死に陥っており切除した.












  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ5 【症例 ER 21〜24】

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