結腸の拡張はなく,小腸が拡張している.腹水はないが(画像省略) ,gaslessの腸管が拡張しており,腸間膜間腹水が著明だから(図5〜図8:▲),絞扼性小腸閉塞を疑うべきである.図12から追跡を始めると1は図2の29で、Aは図2のKで閉塞し、図2には虚脱した小腸(SB)がありclosed loopである.図2の丸数字1は図1の丸数字10となり頭側へ上行する単純閉塞の小腸の起始部である.腹水はなく腸管壁は良好に造影され,壁肥厚を認めず腸管壊死は否定的である.CT撮影から6時間後の手術では100cmの回腸がbandによりclosed loopを形成し,絞扼性小腸閉塞を起こし壊死を呈しており,切除が施行された.CT所見が正確に診断され,手術の時機が遅れなければ,(死亡率と術後合併症が5倍以上になる)腸管切除術は回避できたと思われる.
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