文献考察:腸閉塞全国集計、絞扼性小腸閉塞は全手術例の14.9%を占め、その死亡率は7.4%
恩田昌彦, 高崎秀明, 古川清憲, 田中宣威, 森山雄吉 イレウス全国集計21,899例の概要
日本腹部救急医学会雑誌(1340-2242)20巻5号 Page629-636(2000.07)
Abstract:1996年〜1997年にイレウスで入院加療した患者を対象に全国集計を施行した.363施設の協力により,手術症例8,032例,保存治療症例13,867例を集計した.手術症例では癒着性イレウスが30.5%,腫瘍性が20.5%,絞扼性が14.9%,腫瘍の転移・播種が11.2%などであった.一方保存治療症例では癒着性が74.1%,麻痺性8.5%,腫瘍の転移・播種が4.8%であった.手術症例,保存治療症例の死亡率は各々10.5%,4.5%であり,全体では6.7%であった.原因別の死亡率は,癒着性イレウスでは1.4%,腫瘍性イレウスでは13.3%,腫瘍の転移・播種では45.5%,絞扼性イレウスでは7.4%であった.過去の全国集計に比べ,癒着性イレウスの頻度が増加し,特に保存治療症例の割合が増加している. 追記:イレウス分類は表1,癒着性イレウスの成因の推移と死亡率の推移は表2,癒着性イレウスのイレウス既往と癒着性イレウスの既往手術は図1.
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