右側結腸は大量の通常便を含み右側結腸や小腸が出血源の可能性はほとんどない.最下段の直腸(Re)の液状内容物も考慮すると出血部位は横行結腸より肛門側である.早期相の▲は晩期相の△となり形を変え広がるのでextravasationである.対照的に下段の図13と14の↑は晩期相でも形態と大きさに変化はない(白矢印)からextravasationではなく血管である.このようにdouble phase造影CTではsingle phaseよりextravasationの診断とその確実性が高まり,外傷と下血例で必須の検査であると確信する.図11と図12の△の周囲には円形のガスを含む多数の憩室を認めるので下行結腸憩室出血である.入院後4単位の輸血を要する下血が4日間続いたが,その後は自然止血し退院した.高齢のため出血病変の精査は行われていない.
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