応用問題(Practical Exercises)14  解答 【症例 P14-8 】

絞扼性小腸閉塞(壊死なし).Strangulated obstruction of small bowel with no necrosis.












下段の図17〜図20の虚脱した右側結腸(▲)は機械的閉塞を意味する.拡張した小腸は大部分がgaslessで,図11で腹水(△)を認める.上段の図9でガストログラフィンで薄く造影された小腸(×)と造影されない6とFが対照的で,前者が口側の単純性閉塞で後者は絞扼された小腸であることを示唆しているので図4から追跡する.図13のJと図14の65で閉塞しclosed loop形成が確認され,少し距離があるが図8の丸数字1から始まるのが口側の単純性閉塞であろう.壁は良好な造影効果を示し壊死はないと診断する.

















冠状断画像でもclosed loopの証明は可能であるが,この症例のように通常の横断画像で診断が容易なときは冠状断画像では困難で,“その逆も真なり”の傾向がある.













上段の図8〜図10の↑はbeak signを示しているので閉塞部位と解釈し図9の1から追跡すると,図13の86で閉塞する.間に3スライスあるが,5mmスライスだから許容範囲であろう.図8の丸数字1から拡張し始め数字順に展開するのが口側の単純性閉塞である.正確にCT診断され手術となった.索状物(図A:▲)により80cm長の小腸が絞扼され虚血状態であったが,索状物切離により改善し腸管切除は不要であった.腸閉塞の診断にガストログラフィン注入後のCTは極めて有用であることを再強調したい(参照症例).












  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ4 【症例 EE 16】

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