上段の図5〜図7で盲腸(Ce)が通常便を含む,最下段の図34〜図37で腹水(※)を,図13,図15,図17と図19で腸間膜の濃度上昇(▲)を認める.腹壁直下の小腸以外はgaslessだから絞扼性小腸閉塞を否定できない.図5〜図7で虚脱した小腸(SB)を認め,図7の1から拡張し始める小腸があるのでそこから追跡してみる.ガスが多い腸管は通常のウィンドウ幅のCTでは追跡が極めて困難な場合が多いが,この例では,ウィンドウ幅を広げたCTを利用して何とかclosed loopの証明が可能である.図7の1から数字順に展開して図9の66で閉塞するのでclosed loopを形成しており,図6の丸数字1から上行するのが単純性閉塞の小腸である.Closed loopの壁は良好な造影効果を示し壊死はない.正確にCT診断され手術となった.手術所見:盲腸から120cmの部位で,band(索状物)により45cm長の小腸が絞扼されていた.虚血所見を呈していたがband切離で腸管の色調が正常化しviableであった.
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