上段の造影CTで,図4と図5(下段の単純CTでは図12と図13)で腸管内に虚脱した内筒(△)と血管を含む脂肪組織(腸間膜:▲)を認めるので腸重積である.図5で△が内筒,water densityとなり浮腫性に壁肥厚を呈するので中筒,最外側の薄い高濃度部分が外筒である.図2と図3(単純CTでは図11)で陥入部(↑)が示されており,図6と図7の※が先進部である.図8の1から図7の9まで数字順に拡張を示すが,図8の10,図7の11と図6の12は虚脱し図5の13から再び拡張する.下段の単純CTでは図15のA〜図11のEまで拡張したまま連続しているので,造影CTで虚脱した図8の10〜図6の12は蠕動により収縮した腸管であることがわかる.重積の先進部から先が拡張するので,逆行性重積と診断できればあなたはExpertである.Dc:下行結腸,Sg:S状結腸.経鼻的に挿入されたチューブからの空腸造影で典型的な“蟹爪状”先進部(図A:↑)を示し,逆行性重積が証明された.図Bの白矢印部分が先進部病変であるが,病理検査でhemorrhagic necrosisを示すのみで,器質的な病変を認めないので特発性重積と診断された.
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