図30と図33は省略.図21の下行結腸(Dc)の液状内容物は肛門側での閉塞か麻痺性イレウスを示唆するが,図22のAから追跡すると,図31のKからS状結腸となるが,病的な閉塞所見はなく,宿便性閉塞か麻痺性イレウスであろう.上行結腸は図20から追跡すると数字順に展開する.図1〜図4の白矢印は門脈内ガスを示し,70%前後の確率で門脈領域の腸管壊死を意味する.腸管の壁内気腫と両者とも認めると90%以上の確率で腸管壊死といわれるので,壁内気腫を検索する.図5〜図10の上行結腸の▲,図15〜図18の上行結腸と横行結腸の▲は壁内気腫であり,結腸壁の造影効果も認めない部分が多く,盲腸から下行結腸の壊死と診断する.CTで認識できる範囲ではSMAの閉塞は認めない(図11〜図14:↑).図9で腎静脈が合流する部位の直上のIVCが虚脱しており,脱水によるNOMIの可能性がある.手術でほぼ全結腸の壊死を認め(図A),病理検査で「粘膜から固有筋層の半分程度までの壊死,NOMIとして矛盾しない」と報告された.
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