腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)2 EXPERT COURSE 解答 【症例 ILE 7】

絞扼性小腸閉塞(壊死).Strangulated obstruction of small bowel with necrosis








ガストログラフィンが注入されているので,白い造影剤を含む小腸が口側の単純性閉塞の小腸で,ガストログラフィンを含まない数字とアルファベットのついた小腸は絞扼された小腸であることが容易にわかる.その小腸壁は図1〜図4の空腸(↑)と比較して明らかに造影効果が減弱しており,壊死に陥った小腸である.図1と図2,図21で腹水(※)を,図9〜図12で腸間膜の濃度上昇(▲)を認め,拡張した小腸はgaslessだから典型的な絞扼性小腸閉塞である.明らかな壊死所見を呈しているのでclosed loopを証明する必要はないが,念のため図19から追跡するとAは図18のXで,1は図17の31で閉塞するのでclosed loop形成が証明された.Beak signを示す図15の丸数字1が単純閉塞の起始部で丸数字の順に展開し,図17と図18で近辺に虚脱した小腸(SB)を認める.手術所見:子宮と腸間膜間に形成されたバンドによる絞扼性小腸閉塞で,55cm長の回腸が壊死に陥っていた(図A).イレウスチューブまたは胃管からガストログラフィンを注入しCTを撮ることが絞扼性小腸閉塞の診断に極めて有用である(下記症例の解答を参照).














  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ4 【症例 EE 16】

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