外傷(Trauma)シリーズ14 EXPERT COURSE 解答 【症例 TE 69】

肝損傷 IIIb.Liver injury grade IV









図13〜図16は省略.肝右葉に大きな損傷を認める.図2と図3で左右肝静脈を認識できるが,中肝静脈は描出されていないので損傷されているのであろう.図1〜図6の白矢印は正常な走行を確認できるから正常血管である.図4と図5の△は大動脈と同濃度を示し,血管としての走行を認めず“contrast blush”(extravasation,pseudoaneurysmまたはAV-fistula)であるが,extravasationか他の2病変かを鑑別するにはdouble phase CTが必須である.図8〜図11の▲も正常血管か“contrast blush”かの鑑別にdouble phase造影CTがほしい症例である.出血量は7部位の平均的なところで計測して,図6で肝周囲に200,脾臓周囲に150,図12でMorison窩に100,図17で左傍結腸溝に150,右傍結腸溝に200,図18の骨盤腔に4cm→200,合計1000mlとなり,血管造影または手術の適応となる.図9のIVCは正常の楕円形を呈せず軽度のhypovolemiaを示している.血管造影で仮性動脈瘤(↑)とextravasation(△)を認め,コイルで塞栓した(図C).








  【参照症例】   1. 外傷(Trauma)シリーズ2 【症例 TE 9】

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