図13で骨盤腔内に,腸管内容物より濃度の高い腹水があり(※),血性であろう.図3と図4,図10〜図12の△はニボーを形成しない,線状のガスで壁内気腫である.図10〜図12の▲は線状ではないが,水平なニボーを形成せず壁内気腫の可能性が高い.図8と図9の↑は線状ではないが小腸背側にあり壁内気腫の可能性が高い.小腸側面の点状のガスはKerckring皺襞下のガスの可能性があり必ずしも壁内気腫ではない.濃度の高い腹水があり,壁内気腫があれば腸管壊死を強く疑うが,図2でIVCが扁平化しており,血液検査でもHb:20.1g/dl,Hct:63.5%と強く濃縮した血液であり,強い脱水による非閉塞性腸間膜虚血症(NOMI:non-occlusive mesenteric ischemia)が原因と思われる.約60cmの小腸が壊死に陥っていた(図A)がSMAの閉塞は認めなかった.病理:粘膜の脱落,出血,炎症細胞浸潤あり.明かな血栓はない.
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