下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 12 RESIDENT COURSE 解答 【症例 LR 59】

S状結腸癌.sigmoid cancer








図1で上行結腸(A)と下行結腸(D)共に拡張しているので,図2の1から肛門側へ追跡すると,図14の29で閉塞する.図7〜図12の↑が閉塞の原因病変だが,不整に,良好に造影され,S状結腸癌による閉塞と診断できる.6スライスに及ぶ大きな病変で,図13〜図17では骨盤腔内に腹水(※)を認め,腹水は腹膜播種を示唆すると解釈すべきである.手術で同所見が確認された.









参考症例(S状結腸癌):59歳男性.1週間前に血便が2回あり,それ以来下腹部痛が断続的に起こる.前日に再発した腹痛が,当日になって増強したため来院した.体温:36.8℃,左下腹部に軽度の圧痛を認める.
図1の1から下行結腸を追跡すると図4の16で閉塞する.図6〜図8の↑が閉塞を起こしている原因疾患で,強い造影効果を受け,S状結腸癌であろう.それより肛門側は図7のAから同図のKの直腸となる.大腸ファイバー検査でS状結腸癌が確認され,Hartmann手術が行われた.











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