図5で上行結腸(A)と下行結腸(D)共に拡張気味なので,下行結腸の肛門側に閉塞性病変がないか検索する.図6の1から追跡すると,次の図7の2〜図16の11まで腸管壁が全周性に,または一部が粘膜下浮腫による壁肥厚を呈している.さらに追跡を進めると,図15の40〜図19の44の直腸壁(↑)がやや高濃度な造影効果を受け狭窄を示す病変がある.すなわち,直腸癌による狭窄があり,口側の粘膜下浮腫を呈するS状結腸と下行結腸は閉塞性腸炎を合併していると解釈する.手術で直腸癌と,口側結腸の発赤と浮腫性壁肥厚を認めた.病理:moderately differentiated adenocarcinoma.口側は粘膜下浮腫,縦走潰瘍があり,obstructive colitis compatible.
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