下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 11 EXPERT COURSE 解答 【症例 LE 55】

虫垂癌穿孔・膿瘍形成.abscess formation with perforated appendiceal cancer



図4〜図11の↑は,ガスとwater densityの内容物を含み,周囲壁は強い造影効果を示し,上下で盲端になるから膿瘍であろう.普通の膿瘍にしては実質性内部構造が多いことが気になる所見である.手術および病理所見:虫垂癌(mucinous cystadenocarcinoma)穿孔による膿瘍.







参考症例(虫垂癌穿孔):老健施設に入所中の89歳女性.2日前に下腹部痛と嘔吐が出現し,当日になっても改善傾向ないため紹介来院した.体温:37.0℃,右下腹部に圧痛を認めるが,反跳痛や筋性防御はない.








回腸末端(TI)は図5から始まるので,図13の1〜図2の12は虫垂である.濃染する壁を有する膿瘍形成(▲)を認め,穿孔性虫垂炎と診断するが,通常の虫垂炎と違い虫垂の壁肥厚が目立つ点が気になる所見である.虫垂癌(mucinous cystadenocarcinoma)の穿孔による膿瘍形成であった(図A:↑).








  【参照症例】   1. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ13 【症例 RE 61】
2. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ14 【症例 RE 66〜69】

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