盲腸(C)は図22までで,回腸末端(TI)は図12から始まる.小腸から盲腸に送り込まれる水分量は24時間で500ml程といわれるので,図10〜図22で右側結腸(A:上行結腸,C:盲腸)に相当量の水分を認めるのは正常ではなく,多くの場合肛門側の閉塞か麻痺性イレウスのいずれかである.上行結腸は図2と図3でほぼ虚脱し(↑),caliber changeを示しているが,腫瘍性病変や閉塞を起こす病変はなさそうだから,水様性内容物とガスで拡張した右側結腸と回腸末端(TI)は麻痺性イレウスを示していると解釈する.図17と図19で▲は遊離ガスであり,△も遊離ガスの可能性が高い.図18の1,図16の2と図15の3は腫大した虫垂であり,図23〜図26で腹水(※)もあり,穿孔性虫垂炎との診断がつく.同所見が手術で確認された.病理所見:gangrenous appendicitis.
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