下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 11 RESIDENT COURSE 解答 【症例 LR 53】

穿孔性虫垂炎.perforated appendicitis






図1〜図3の液状内容物を含む上行結腸(AC)と骨盤腔内の拡張した小腸は麻痺性イレウスを示している可能性が高い.図9〜図12の腹水(※)は腹膜の肥厚(△)を伴い,汚染された腹水による腹膜炎を強く示唆する.図7の1〜図11の7が腫大した虫垂で,麻痺性イレウス,大量の腹水と骨盤腔の腹膜炎の所見を考慮すると穿孔性虫垂炎と診断すべきである.手術で同所見が確認された.







参考症例(穿孔性虫垂炎):25歳男性.前日に下腹部痛,発熱と嘔吐が出現し,近医にて点滴を受け軽快した.当日になって下腹部痛と発熱が再発し紹介来院した.体温:38.4℃,下腹部中央に圧痛があるが,反跳痛や筋性防御はない.
図3の1〜図7の7は虫垂で,図3〜図6の↑は腸管外遊離ガス,図2で広範囲の脂肪組織の濃度上昇(△:蜂窩織炎),図7と図8の腹水(※),図4〜図7で造影効果を受ける腸間膜の肥厚(▲)は,すべて穿孔性虫垂炎を意味する.TI:回腸末端.手術で同所見が確認された.









  【参照症例】   1. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ12 【症例 RR 56,57】

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