図2で上行結腸(AC)も下行結腸(DC)もガスと液状内容物を含み,下行結腸は図6で虚脱するが明白な閉塞性病変を認めないので,拡張した腸管は麻痺性イレウスを意味する.骨盤腔内の病変を検索するには,まず膀胱はどれか同定しておく必要がある.図24〜図16のUB(urinary bladder)が膀胱だが,右後方から左上へ圧排されている.その原因である嚢胞状病変AとBは上下で盲端となり,壁は強く造影され,water densityの内容物を含み膿瘍を強く疑う.次に図9で糞石を含む管状構造物(↑)に気がつけば,上下に追跡し,図6の1の虫垂根部から数字順に展開し,図4〜図8の↑が腫大した虫垂の末梢側である.従って,虫垂炎穿孔による膿瘍形成と診断する.R:直腸.手術で悪臭のある約300mlの膿が吸引され,穿孔性虫垂炎を認めた.
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