文献考察1):小腸穿孔の原因と疾患(表1) イレウスが初発症状となった特発性小腸穿孔の1例
Author:東崇明(村瀬病院 外科), 久保宏幸, 村田哲也
Source:臨床外科(0386-9857)59巻8号 Page1073-1078(2004.08)
Abstract:72歳男.腹痛と嘔吐を主訴とした.腹部X線で中等量の小腸ガス像を認めイレウスが疑われたが,free airはなかった.イレウスチューブからの小腸造影で小腸のほぼ中央にtaperingを認め,この部位の用手圧迫にて狭窄部分から造影剤のminor leakageを認めた.また,腹部CTで造影剤の腹腔内への漏出を認め,小さなfree airもみられた.穿孔性腹膜炎と診断し,同日緊急手術を施行した.正中切開で開腹したところ膿性腹水を多量に認め,小腸のほぼ中央に直径6mm大の穿孔を認めたが,異物はなかった.穿孔部分を含めて約20cmの小腸を切除した.小腸の穿孔した部位はpunch-out状であり,穿孔部腸管壁に潰瘍や憩室,腫瘍などの肉眼的病変を認めなかった.病理組織学的所見で多数の炎症細胞と線維芽細胞を認め,漿膜面にフィブリンの付着が見られたことから,特発性小腸穿孔と診断した.術後に創感染を生じたが保存的に軽快し,術後28日目に退院となった.
文献考察2):特発性小腸穿孔,本邦集計37例(表2,表3) 特発性小腸穿孔の1例
Author:杉本誠一郎(赤穂中央病院 外科), 萱野公一, 宮崎医津博, 西岡聖, 内田發三
Source:日本臨床外科学会雑誌(1345-2843)64巻1号 Page107-110(2003.01)
|