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上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ30 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ER 147】
肝膿瘍・S状結腸癌.Liver abscess with sigmoid colon cancer
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図13〜図16は省略.3種類(A,BとC)の肝嚢胞性病変があるが,AとCは下記参照症例と違って,肝組織がまだ完全に溶解していない,多房性を示す肝膿瘍である.AとCを経皮的ドレナージし治癒した.下記参照症例ER66の文献考察で言及されているように,原因不明の特発性が40%で,残り60%は原因が究明できるので胆道系や門脈領域に原因疾患がないか追求すべきである.図17〜図23は下腹部のCTであるが,S状結腸図18〜図21の↑は強い造影効果を受ける壁肥厚を呈し,腫瘍性病変を強く疑う.図17〜図22の▲は壁から離れて浮遊しており糞便である.精査の結果,S状結腸癌と判明した(図A:△).S状結腸癌が肝膿瘍の原因となった可能性が高い.
参考症例
(肝膿瘍・空腸GIST):71歳女性.2週間前から発熱があり,肺炎の疑いで近医に入院し,抗生物質を投与されたが解熱せず,肝酵素が上昇してきたので紹介来院した.体温:40.0℃,右季肋部に軽度の圧痛がある.
肝左葉の△は上記症例同様,臨床経過を考慮し,肝組織がまだ完全に溶解していない多房性の肝膿瘍と診断する.経皮的ドレナージで治癒したが,膿瘍の原因追求のため下腹部のCT検査(下段:図9〜図15)を行った.下行結腸はDだから,↑病変は小腸腫瘍の可能性が極めて高いが,腸閉塞症状はないので壁外性に発育した腫瘍と思われる.手術で,潰瘍(図B:白矢印)を伴う回腸の壁外性腫瘍(▲)を認めた.それが肝膿瘍の原因であったと思われる.病理:回腸GIST,intermediate malignancy.
【参照症例】
1.
上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ14 【症例 ER 66】
2.
上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ14 【症例 EE 69】
3.
その他(Miscellaneous)シリーズ9 【症例 MR 41】
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