図17〜図20で盲腸(C)は拡張し,下行結腸(D)は虚脱しているので両者間に閉塞していることを示唆する.上行結腸図16の1から肛門側へ追跡すると,数字順に展開し横行結腸図7の38で閉塞する.図5〜図7の腫瘤(↑)が原因と思われるが,図3〜図7の腫瘤(△)と一塊となっており,辺縁不整で,造影効果も不整で膵尾部癌を疑う.H:膵頭部.大腸ファイバー検査を行ったが,脾湾曲部を通過できず閉塞病変の確認は出来なかった.手術で進行性の膵尾部腫瘍による横行結腸閉塞を認め,盲腸瘻を造設した.図14〜図19の白矢印は壁内気腫であり,図17で盲腸は最大径12cmに近く,さらに図5と図6の,腎静脈が合流する部位の直上のIVCがほぼ虚脱し強い脱水を意味するので盲腸穿孔をきたす危険性が高いと認識すべきである.強い脱水があると非閉塞性腸間膜虚血症(NOMI:Non-Occlusive Mesenteric Ischemia)の要素が加わり穿孔を早める可能性がある(参照症例).
|