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上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ29 EXPERT COURSE 解答 【症例 EE 144】
食餌性イレウス.Small bowel obstruction due to food bolus impaction
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拡張した小腸はgaslessだが,腹水や腸間膜の濃度上昇を認めず,腸管壁の虚血所見もなさそうなので絞扼性小腸閉塞の可能性は極めて低い.図5〜図8の↑は“小腸内糞便(small bowel feces)“であり.図8で虚脱した小腸(SB)と連続するのでそこが閉塞部位であり,図5の1〜図10の10は拡張した小腸である.図6〜図8の閉塞部位の小腸(SB)に腫瘍や重積を示唆する所見はなく,外部からの圧迫所見もなく,さらに腹部手術の既往がないことから食餌性イレウスと診断する.手術で盲腸から約100cmの部位で未消化の食塊の嵌頓を認め,そこから口側の回腸と空腸が拡張していた.食塊を用手的に砕いて盲腸へ送り込み腸閉塞を解除した.
参考症例
(食餌性イレウス):腹部手術の既往のない69歳女性.前日の夕食に椎茸を食べた.当日朝食後に心窩部痛が出現し,数回嘔吐した.体温:36.8℃,心窩部に軽度の圧痛を認める.
図9〜図12の↑は小腸内糞便であり,一方では図8〜図10の虚脱した小腸(SB)へ,他方では図9の1から拡張した小腸へ連続し,閉塞部位であり,閉塞の原因である.イレウスチューブを挿入し,2日後に小腸造影を行ったら小腸閉塞は解除されており,図Aのごとく芯(▲)のついたままの椎茸(△)が直腸まで落下しており,排便で5cm大の椎茸が排出された.
【参照症例】
1.
上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ18 【症例 EE 86〜90】
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