上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ29 EXPERT COURSE 解答 【症例 EE 143】

絞扼性小腸閉塞(壊死なし).Strangulated obstruction with no necrosis








拡張した小腸はgaslessで,図1で腹水(※)があり,図9〜図16では腸間膜の浮腫による濃度上昇(▲)を示し,絞扼性小腸閉塞の可能性が高い.Closed loopを証明するために図19のAと1から追跡を始める.Aは図12のHで閉塞し,1は図10の9で閉塞する.図10〜図12で虚脱した小腸(SB)があり,図10の丸数字1から頭側へ上行するのが単純閉塞の小腸だから,closed loopが証明された.絞扼された小腸壁は,単純閉塞のそれと比較して造影効果の減弱はなく,壊死には陥っていない.手術で約50cmの空腸が索状物(band)によりclosed loopを形成し,絞扼され虚血所見を認めたが,索状物の切離により腸管の色が改善し腸管切除は不要であった.












  【参照症例】   1. 腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)10 【症例 GE 46〜50】

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