図9で,上行結腸(AC)も下行結腸(DC)も拡張しているので,下行結腸より肛門側の閉塞を示唆する.図10の1から肛門側へ追跡すると,図21の14からS状結腸となり,図17の18でUターンして,図31の32で閉塞する.図31と図32のSBは小腸.また,図1の横行結腸TaとT1は図20でTtとT20となり連結することを解決しておけば,S状結腸は図17の18でUターンすることが理解しやすい.他方,図36の直腸Aから逆行性に口側へ追跡するとアルファベット順に展開し,図27〜図30の↑病変に連続する.この↑病変が閉塞の原因で,良好な造影効果を受ける壁肥厚を呈しており,S状結腸癌による閉塞と診断する.内視鏡検査でS状結腸癌が確認され,経肛門的減圧に成功し(図A),11日後に根治手術を行った.病理:advanced,moderately differentiated adenocarcinoma.
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