上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ29 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ER 144】

絞扼性小腸閉塞.Strangulated obstruction with no necrosis








図1と図2のMorison窩と,図7と図8の腸間膜間に腹水があり(※),拡張した小腸の大部分はgasless(ガスがないかまたは断面積の半分以下の少量ガス)だから絞扼性小腸閉塞の可能性がある.Closed loopを形成していないか検索するため図19から追跡する.1は図9の25で,Aは図10のVでbeak sign(↑)を呈して閉塞する.図9と図8に虚脱した小腸(SB)があり,図9の丸数字1が単純閉塞小腸の始まりで丸数字順に上行する.従って,closed loopを形成する絞扼性小腸閉塞と診断できる.壁の造影効果は単純閉塞の小腸と同等であり壊死はないと判断した.手術でバンドによるclosed loop形成に180度の捻転が加わった絞扼性小腸閉塞を認めたが壊死所見はなかった(図A).バンド切離と癒着剥離を行った.













  【参照症例】   1. 腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)5 【症例 GR 21〜25】

 【 ←前の問題 】   【 次の問題→ 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 演習問題一覧に戻る 】