図5の1から拡張した小腸を追跡すると,図11〜図14で造影効果のある壁肥厚を呈する第1の狭窄病変があり,さらに拡張した小腸は,図16の21で完全閉塞する.閉塞の責任病変は図15〜図18の造影効果がやや強い第2病変▲(臍を中心に右上から左下への斜線を境に空腸は左上に,回腸は右下に位置する傾向があるので,おそらく回腸)である.D:下行結腸,S:S状結腸,R:直腸.2つの各々の病変は腫瘍性に見えなくもないが,スキップしていること,31歳という年令,2年前から下痢があることを考慮すると,Crohn病との診断となる.手術で,狭窄をきたした第1病変(図Aと図B:↑)と,完全閉塞を呈する第2病変(▲)を認めた.病理検査でCrohn病と診断された.
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