文献考察:転移性小腸腫瘍27例,原発巣は肺癌が最も多い(表).
【消化管への転移性腫瘍】 転移性小腸腫瘍の画像診断
Author:岩下生久子(国立病院九州がんセンター 放射線診断部), 牛尾恭輔, 岩下明徳, 平賀聖久, 宮川国久, 下田忠和, 宇都宮尚, 上田真信, 西山憲一, 井野彰宏, 岡村健, 一ノ瀬幸人, 村中光, 渡辺秀幸, 黒岩俊郎
Source:胃と腸(0536-2180)38巻13号 Page1799-1813(2003.12)
Abstract:転移性小腸腫瘍27例について検討した.原発臓器は肺癌,悪性黒色腫が多くみられ,原発巣の発見から転移巣発見迄の期間は平均13.9ヵ月であった.転移に伴う症状では下血が最も多く,閉塞,穿孔と続いた.腫瘍の最大径と症状の間に相関がみられ,小さいうちから閉塞症状を呈してみつかる群と,大きくなっても閉塞を来さず,下血によって初めてみつける群がみられた.両者間には病理組織学的にも相違が認められ,閉塞群では強い間質反応または重積の痕跡が認められ,出血群では両者共に弱い傾向がみられた.形態は,隆起型が約25.9%,潰瘍型が74.1%で,潰瘍型の中では,非狭窄型が全体の約40%と多くみられた.小腸転移が発見された時点で52%に他臓器にも転移を認めており,予後は50%生存期間が3ヵ月と不良であったが,2年以上生存した症例も25%あり,治療法の進歩に伴い小腸転移があっても長期予後が期待できるようになると考えられた
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