文献考察:急性閉塞性化膿性胆管炎の治療方針(図)
【消化器外科領域の緊急手術・処置】 肝・胆・膵 急性胆管炎
Author:園田幸生(九州大学 大学院 医学研究院 臨床腫瘍外科), 小林毅一郎, 川本雅彦, 許斐裕之, 竹田虎彦, 田中雅夫
Source:外科(0016-593X)65巻3号 Page306-310(2003.03) 要旨:急性胆管炎は胆管結石, 胆道再建術後, 胆道系悪性腺癌などによる胆管の閉塞・胆汁流出障害に細菌感染が加わった病態であり, 腹痛・発熱・黄疸のCharcot三徴を主症状とする.急性胆管炎は絶食,抗生物質による保存的治療で改善することがあるが, 感染胆汁により胆管内圧が上昇するとcholangiovenus refluxが生じ胆管内のエンドトキシンが血中に移行し, ショックや意識障害(Reynolds五徴)をきたし, 膿性胆汁を伴う急性閉塞性化膿性胆管炎(acute obstructive suppurative cholangitis : AOSC)の状態となる.AOSCは急速に病態が悪化し敗血症に移行するきわめて死亡率の高い疾患であり, 早期の診断・治療が必要である.図に当科における急性胆管炎の治療方針について示す.血液生化学検査で黄疸を認めず, 炎症所見が軽度の場合には保存的治療で経過観察を行い, 症状が落ち着いてから原因疾患の治療を行うが, 黄疸を認める場合やAOSCなどの重症胆管炎が疑われる場合には, 減黄と感染胆汁の除去を目的として胆道ドレナージ術を行う.PTBD(percutaneous transhepatic biliary drainage:経皮経肝的胆道ドレナージ術),EBS(endoscopic biliary drainage:内視鏡的胆道ドレナージ),EST(endoscopic sphincterotomy).
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