上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ27 EXPERT COURSE 解答 【症例 EE 134】

十二指腸憩室穿孔.Perforated duodenal diverticulum








図2〜図6の↑は十二指腸憩室である.図3と図4で憩室背側の脂肪組織の濃度上昇(▲)を認め,憩室炎または憩室穿孔を示唆する.下段の,16時間後のCTでは脂肪組織の濃度上昇(▲)が広範囲に広がり炎症の拡大を示している.さらに,憩室が変形し丸みを失っており(↑),憩室内容物が憩室外へ漏れた所見と解釈し憩室穿孔と診断する.手術で十二指腸下行部憩室が後腹膜へ穿孔していた.








参考症例(5mmスライス,十二指腸憩室穿孔): 84歳男性,前日に胃部不快感があり,当日上腹部痛となり発熱を伴った.体温:38.6℃,上腹部に圧痛と反跳痛があるが筋性防御はない.
逆行性に見ると,図11の十二指腸水平部から派生する△は図3まで憩室である.図2の白矢印と図2〜図6の↑は腸管外の遊離ガスの可能性があり,図5〜図11では憩室周囲脂肪組織の濃度上昇(▲)を伴い,憩室炎または憩室穿孔と診断する.抗生物質投与で治癒し,図Aは症状が消失した時の十二指腸造影で,十二指腸水平部にCT所見と一致する憩室(△)を認めた.













  【参照症例】   1. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ11 【症例 RE 54】

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