上段の単純CTで,図3〜図5でSMAが高濃度を示し(↑),新鮮な血腫を示唆する.下段の造影CTでは,図11からSMAが造影効果を失い(↑),起始部から3cmの部位だから塞栓症と思われる(血栓症は起始部で閉塞する場合が多い).図17〜図24で,下行結腸(D),▲の空腸と,図19までの上行結腸(A)は壁の造影効果を受けviableであるが,図20の上行結腸(A)から盲腸(C)と,▲以外の小腸は虚血状態と解釈する.TI:回腸末端.来院後数時間して血液ガスがアシドーシスを示したので手術となった.SMAの拍動を認めず,Treitz靱帯から20cmの部位から上行結腸が壊死または高度の虚血状態であった.心房細動や心疾患はなく原因不明のSMA塞栓症である.
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