上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ26 EXPERT COURSE 解答 【症例 EE 126】

大網捻転.Omental torsion




図5〜図14の病変(↑)は境界鮮明な,濃度上昇した脂肪組織で,腹壁直下に位置し,壁肥厚などの異常所見を示す腸管はなく,急激な発症のしかたも考慮し大網捻転と診断した.手術所見(図A):大網の一部が捻転し虚血性壊死に陥っており,切除した.








参考症例 1(大網捻転):41歳男性.腹部手術の既往はない.2日前に上腹部痛が出現し,痛みは次第に右上腹部に限局し増強してきた.体温:37.5℃,右側腹部に圧痛,反跳痛と筋性防御を認める.
右腹壁直下の↑はdensityの高くなった脂肪組織で,境界鮮明で,上記症例同様大網捻転と診断した.抗生物質投与と鎮痛剤で10日間で症状が消失した.保存的治療が可能であることは下記参照症例の文献考察に記載してある.










参考症例 2(壊死に陥った大網脂肪肉腫):62歳男性.2日前からの腹部膨満と発熱で来院した.手術で壊死性の大網を認め切除した.病理:壊死性の高分化型脂肪肉腫.




  【参照症例】   1. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ8 【症例 RE 36】

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