上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ26 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ER 127】

急性虫垂炎・移動盲腸.Acute appendicitis・mobile cecum






図4で糞石(↑)があり,ここの1〜図3の7は最大2cm近くに腫大し,図3の7で盲端になる管腔臓器である.部位としては肝臓に近く,かなり頭側にあるが,糞石が嵌頓し,先端は盲端になる構造から虫垂であろう.壁は強く造影され,図5と図6で周囲脂肪組織の濃度上昇を示し(△),急性虫垂炎である.T:横行結腸,A1:上行結腸,A2:飜転した上行結腸,C:盲腸.手術で,盲腸が肝下面近くに位置する移動盲腸と急性虫垂炎を認めた(図A).病理:phlegmonous appendicitis.








参考症例(急性虫垂炎・膿瘍形成):69歳男性.5日前に右上腹部痛が出現し,近医で急性胆嚢炎として治療され,改善しないため紹介来院した.体温:37.2℃,右下腹部に圧痛を伴う腫瘤を触知した.胆石(白矢印)を認めるが,胆嚢の腫大,緊満感,壁肥厚や周囲脂肪組織の濃度上昇を認めないので急性胆嚢炎ではない.回腸末端(TI)は図9から始まるので,1〜7は虫垂で,▲は膿瘍である.虫垂は穿孔後だから虚脱し,内容物を含まない.急性虫垂炎穿孔による膿瘍形成と診断し,10日間の抗生物質投与で治癒した.











  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 4 【症例 LR 19】
2. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ17 【症例 RR 81〜85】

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