図1の相当量の腹水(※)は,腸閉塞であれば絞扼性であることを強く示唆する.拡張した小腸はgaslessで,図7〜図9で腸間膜の浮腫(▲)を示し,図5〜図7の白矢印の小腸と比較すると明らかに壁の造影効果が減弱している.さらに内容液のdensityは腹水より高く,血性腸液を意味し,壊死に陥った絞扼性小腸閉塞である.念のためclosed loopを証明するために図15のAと1から追跡を始めると,図8のHと図7の62で閉塞し,図8に虚脱した小腸(SB)を認め,図7の丸数字1から図2の丸数字6へと頭側へ展開するのが単純閉塞と思われ,closed loopを形成する絞扼性小腸閉塞の診断が確定した.正確にCT診断され手術となった.図Aのごとく約70cm長の空腸が索状物により絞扼され壊死に陥っていた.
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