上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ25 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ER 124】

絞扼性小腸閉塞(壊死).Strangulated obstruction with necrosis








図1と図2で腹水(※)を認め,図7〜図11で腸間膜浮腫(▲)を示しており,右側小腸は内容物による拡張はないが,粘膜下浮腫または壁内血腫で壁肥厚を呈しているのでclosed loopを証明すれば絞扼性小腸閉塞との診断に至る.図16のAと1から追跡を始めると,図10のPと20で,同位置で閉塞しclosed loopを形成している.図11と図12で虚脱した小腸(SB)があり,図12の丸数字1〜図16の丸数字5が単純閉塞の小腸と解釈でき,絞扼性小腸閉塞の診断がついた.腹膜刺激症状はないが,ソセゴンでも腹痛は軽減せず,さらに血ガスでpH:7.2,B.E.:-14mEq/l とアシドーシスを示したので手術となった.血性腹水があり,大網の索状物(band)で回腸約60cmがclosed loopを形成し,絞扼され壊死に陥っていた(図A).単純CTがあれば壁肥厚部分は高濃度を呈し,出血性壊死の診断が可能であったと思われる.









  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ7 【症例 ER 32】
2. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ7 【症例 ER 34,35】

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