上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ24 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ER 118】

重症腸炎.Severe colitis








↑は右側結腸で,白矢印は回腸末端であるが,いずれも強い粘膜下浮腫によりかなりの壁肥厚を示している.大量の腹水(※)を伴い,なんらかの重症腸炎であり,罹患部位から感染性腸炎の可能性が高い(下記参照症例を参照).単純CTだから壊死所見の有無はわからない.穿刺で淡い血性腹水を認めたので試験開腹が施行された.約1500mlの血性腹水があり,右側結腸と回腸の発赤と著明な浮腫性壁肥厚を認めるのみであった.術後は順調に経過した.便培養は陰性であったが,重症型感染性腸炎であろう.








参考症例(サルモネラ腸炎):22歳男性.5時間前からの右季肋部痛,悪寒戦慄に続く発熱と水様性下痢数回のため来院した.体温:39.5℃,腹部は右季肋部に圧痛があるのみ.
↑は横行結腸と右側結腸で,粘膜下浮腫による壁肥厚を示し,白矢印の回腸末端も軽度の壁肥厚を呈している.便培養でサルモネラ菌が検出された.周囲の液貯留や炎症の波及はほとんどなく,2,3日の絶食と輸液で治癒する一般的な感染性腸炎である.
















  【参照症例】   1. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ5 【症例 RR 22】
2. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ2 【症例 RR 8】
3. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ2 【症例 RR 10】

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