図1〜図4で遊離ガスがあり(白矢印),腹水の※の部分は不均一で腸管内容物と解釈すべきで,消化管穿孔である.図9〜図19の↑は腸管外の糞便であり,結腸の穿孔を強く示唆する.図17〜図22では上行結腸が浮腫による壁肥厚を示している(▲)ので,症例EE116の教訓から,閉塞性大腸炎の可能性を考慮して検索する.肝弯曲部の図6〜図8の△は強く造影される壁肥厚病変で,狭窄をきたしており,癌病変を疑うべき所見である.漏出した糞便が上行結腸(A)周辺に多いことから,横行結腸癌に伴う上行結腸の閉塞性大腸炎の穿孔と診断する.図7と図8でIVCが虚脱しており,強度の脱水状態であり,脱水によるNOMI(Non-Occlusive Mesenteric Ischemia:非閉塞性腸間膜虚血症 )の要素が穿孔を早めた可能性がある(下記症例参照).手術で横行結腸癌と上行結腸穿孔による糞便性腹膜炎が確認された.
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