上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ24 EXPERT COURSE 解答 【症例 EE 116】

S状結腸癌・閉塞性大腸炎.Obstructive colitis with sigmoid colon cancer








図9〜図16は省略.下行結腸(D)からS状結腸が粘膜下浮腫で壁肥厚を示し(図3〜図22:▲),何らかの腸炎である.横行結腸(T)には同所見を認めず,左側だけの腸炎だから虚血性腸炎が考えやすい.しかし,癌病変による閉塞性大腸炎を鑑別する必要があることを忘れてはならない.図22と図23の↑部分は図24と図25の直腸(R)と比較して不整な,やや強い造影効果を受け,腫瘍性病変を疑うべき所見である.1週間後の注腸造影でS状結腸のapple core像を認め(図A:↑),生検で癌と診断された.2週間後に切除した.図Bで白矢印が癌病変で,その口側は粘膜下浮腫を示し,病理検査でも虚血性所見が確認された.











参考症例(S状結腸癌・閉塞性大腸炎):67歳男性.数時間前からの激しい左上腹部痛と発熱のため来院した.体温:38.4℃,腹膜刺激症状を認め緊急手術となった.
図2〜図10の▲は粘膜下浮腫による壁肥厚を示し,図16〜図18の↑は強く造影される病変であり,上記症例同様S状結腸癌と閉塞性大腸炎を疑う.手術でS状結腸癌と口側の粘膜壊死(図A:△,白矢印が癌病変)を伴う腸炎を認めた.病理:癌の口側には出血と虚血性所見を認める.





















  【参照症例】   1. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ15 【症例 RE 74】

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