上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ23 EXPERT COURSE 解答 【症例 EE 115】

胃内異物(マドラー)胸腔内穿破.a muddler in stomach, penetrated into left chest


図1で左肋骨横隔洞周辺の浸潤像所見(▲)から肺炎と診断された.図1と図2で棒状の異常陰影(白矢印)を認める.図3〜図11で,その異常陰影(↑)は胃内から胸腔へ連続し,ガスを含む内腔を有し,ストローのような異物と推測する.抗生物質投与で解熱し,左上腹部痛と咳も消失し2週間で退院した.





退院後は特に症状は出現せず順調に経過した.下段の図12〜図18は5ヶ月後の胸部X線写真とCT.図12〜図18で胃内の異物は残存しており(白矢印と↑),5ヶ月前と同様に胸腔内へ連続する.図12〜図15の▲と△は異物周囲の肉芽組織であろう.内視鏡で棒状の異物を認め摘出したら,17cm長のプラスチック製マドラー(氷入りの冷たい飲み物をかき混ぜる棒)であった(図A).摘出後は特に合併症なく経過した.









 【 ←前の問題 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 演習問題一覧に戻る 】