参考症例(5mmスライス,胃癌穿孔):56歳男性.7時間前の前日の夜に上腹部痛が出現し,早朝に上腹部痛が増強したため救急搬送された.体温:37.2℃,腹部全体が板状硬で,上腹部に著明な圧痛を認めた.
遊離ガスがあり(図1〜図4:白矢印),Morrison窩に腹水を認め(図11〜図14:※),胃壁が広範囲に粘膜下浮腫を示し(図1〜図13:▲),図5〜図10のガス像(↑)は潰瘍性病変の可能性が高く,胃潰瘍穿孔と診断した.手術で胃壁は全体的に浮腫を示し,胃体中部前壁に1cm大の穿孔を認め,亜全摘を施行した.病理:mucinous adenocarcinoma (図A:△) .CTで胃癌との診断はできない症例である.
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