図1と図2で遊離ガス(白矢印)と腹水(※)を認め,図3〜図11のGも遊離ガスである.胃に急性病変はなさそうだから十二指腸を検索する.図7と図8の十二指腸球部は粘膜下浮腫(▲)を示しており,潰瘍そのものは認識できないが十二指腸潰瘍の穿孔と診断していい.図Aのガストログラフィン造影で十二指腸潰瘍(△)と,遊離腹腔内への大量の造影剤の漏出を認めた(↑).手術の適応と思われるが,保存的治療を試みた.36時間後に腹膜刺激症状は改善せず,CTで腹水の増加を認め(図12:※),ガストログラフィン造影で遊離腹腔内への造影剤の漏出は続いており(図B:↑)手術となった.十二指腸球部前壁に8mm大の穿孔を認め.大網充填術を行った.合併症なく3週間で治癒退院したが,造影剤の遊離腹腔内への漏出は手術の適応である.
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