参考症例(胃潰瘍穿通):42歳男性.5年前から胃潰瘍の治癒と再発を繰り返している.10日前上腹部痛とタール便があったが市販薬で改善した.当日再度上腹部痛とタール便があり,痛みが増強したので来院した.体温:37.8℃,左上腹部に圧痛がある.Hb:5.8g/dl.
遊離ガスや腹水は認めないから消化管穿孔はなさそう.図3から胃小弯側の,粘膜下浮腫による壁肥厚が始まり(▲),図11では胃体部前壁まで広がる.図5〜図10の↑は肝下面に穿通した巨大潰瘍であり,図Aの内視鏡検査でその穿通性巨大潰瘍(△)から肝下面が直視された(△).内科的治療に反応しないため胃切除術を施行した(図B:白矢印が壁全層が欠損した潰瘍).病理:良性潰瘍.
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