図1〜図4で大量の遊離ガス(白矢印)と少量の腹水(※)があり,消化管穿孔を強く示唆する.主訴が上腹部痛であれば胃か十二指腸穿孔の可能性が高いので胃と十二指腸に急性病変がないか検索すべきである.図2から胃小弯側に粘膜下浮腫による壁肥厚が始まり,図11の胃体下部まで広がる.図5〜図8の↑は粘膜下浮腫により肥厚した壁内の欠損像であり,すなわち急性胃潰瘍穿孔との診断となる.手術で胃体上部前壁小弯に2cm大の潰瘍穿孔を認め(図A:△),胃全摘術を行った.病理:benign gastric ulcer with perforation.