1)肝臓周囲(図1〜図4:※)とMorison窩(図7と図8:※)に腹水があり,さらに遊離ガスがある(白矢印).2)肝臓内のガス像は辺縁から2cm以内まで達する位置にあり門脈内ガスである.3)ニボーを形成しない,胃壁に沿って存在する線状のガスは壁内気腫である(図4〜図6,図11〜図16:△).4)図4から胃小弯部の浮腫性壁肥厚が始まり(▲),図8〜図12の↑は潰瘍性病変であり,膵臓へ穿通している可能性が高い.従って診断は胃壁内ガスと門脈内ガスを伴う胃潰瘍穿孔である.手術で胃角部後壁潰瘍の膵への穿通と穿孔を認め胃切を行った.病理:benign gastric ulcer,penetrated and perforated.