図9の直腸1から逆行性に追跡すると図1のS状結腸17となる.S状結腸図8の7〜図4の14あたりまで壁肥厚を呈し,図3〜図4で腸間膜の浮腫があり(▲),図4〜図5で腹膜の肥厚を認め(△),S状結腸の炎症性疾患と思われるが,憩室が見あたらないので憩室炎とは断定できない.10日間の抗生物質投与で治癒退院した.図11は3ヶ月後に軽度の憩室炎で再来院した時のCTであるが,憩室を4個認める(↑).小さい憩室は炎症に巻き込まれると,浮腫性の壁肥厚の中に埋もれて一時的に“消失”することがある.そのため炎症が沈静化し壁肥厚の程度が軽減した後ではじめて憩室を認めることがある.あるいは1cmスライスでは認識できず5mmスライスで明白になることもある.
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