文献考察:閉塞性大腸癌は全大腸癌の16.2%で,73.5%に一期的切除再建術が行われた.
【閉塞性大腸癌の治療】 閉塞性大腸癌における一期的切除再建術
Author:梅木雅彦(兵庫県立淡路病院 外科), 栗栖茂, 小山隆司, 北出貴嗣, 大石達郎, 高橋英幸, 森大樹, 近清素也, 大村篤史, 田中亜希子, 杉本貴樹, 八田健
Source:日本腹部救急医学会雑誌(1340-2242)25巻3号 Page509-512(2005.03)
Abstract:1985〜2002年に手術を行った初回大腸癌症例1331例のうち,閉塞性大腸癌は215例(16.2%)であった.一期的切除再建例が158例(73.5%),ハルトマン手術は42例(19.5%)で,ハルトマン手術選択は高度進行20例,全身状態不良12例,閉塞性大腸炎合併9例等であった.人工肛門のみは9例(4.2%)で,理由は高度進行が4例,後日根治術を行ったものが5例であった.直腸切断術は6例(2.8%)で,チューブ減圧後の症例が2例であった.一期的再建例の吻合方法は手縫い吻合が130例(82.3%),手術時間の短縮を図りたい場合や低位前方切除で手縫い縫合が困難な場合などに器械吻合を28例に行った.術後在院死亡は4例(1.95%)で,待機例の術後在院死亡9例(0.8%)に比べ不良であった.術後30日以内手術死亡は2例,入院死亡は2例で,死亡の原因はいずれも高度な合併症であり,残りの211例(98.1%)は軽快退院した.高齢者や高度進行例が多い閉塞性大腸癌では良好な成績と考えられた.
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