文献考察:急性上腸間膜動脈閉塞症に対するウロキナーゼ動注療法,23例の本邦集計(表) 急性上腸間膜動脈閉塞症に対するウロキナーゼ動注療法 2症例の報告
Author:宗岡克樹(新津医療センター病院), 白井良夫, 高木健太郎, 小山高宣
Source:日本消化器外科学会雑誌(0386-9768)34巻5号 Page495-499(2001.05)
Abstract:症例1:59歳男.上腸間膜動脈(SMA)本幹に完全閉鎖を認め,ウロキナーゼ60万IUの動注により血栓は消失した.発症からSMA再疎通までは3.5時間であった.腸切除を要さず,1ヵ月で軽快退院した.症例2:68歳男.SMAの完全閉塞を認め,ウロキナーゼ60万IU動注により血栓は消失した.発症からSMA再疎通までは6.5時間であった.腹部所見は軽減したが,再疎通後3時間目から再度増悪したため緊急手術を行った.空腸,回腸280cmが壊死しており,腸管切除再建を行ったが,術後4ヵ月目に多臓器不全で死亡した.本療法を発症後早期(SMA本幹閉塞では5時間以内,右結腸動脈より遠位部の閉塞では12時間以内)に行えば腸管壊死を回避できる可能性がある.
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