文献考察:S状結腸憩室の発生機序
1)北郷邦昭, 河相開流, 竹内浩紀, 坂田秀人, 辻美隆, 松木盛行, 浜田節雄, 平山廉三 【大腸の非腫瘍性疾患 外科医のための診療指針】 結腸憩室症と結腸憩室疾患
臨床外科54巻13号 Page1541-1546(1999.12)
2)Ferzoco LB, Raptopoulos V, Silen W. Acute diverticulitis.
N Engl J Med. 1998 May 21;338(21):1521-6.
要旨:大腸憩室は長年の低残渣食摂取の結果、腸管の異常運動を起こし慢性的に内圧が上昇し、ストレスによる大腸の緊張増加や、肥満(大腸壁貫通血管周囲の脂肪組織の増加が憩室形成を助長)などの要因も加わり、抵抗の弱い結腸壁の血管貫通部で粘膜が嚢状に突出して形成されると言われる。その結果憩室を有する腸管の厚さは増し、長さは短縮し内腔は狭窄する。右側型においても同様な機序で発生すると考えられているが、繊維成分に富む食生活をしている(あるいは「していた」)日本や東アジアに多いこと、20歳代にも多発すること、筋層の肥厚が著明でないことなどの相違点は解明されていない。
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