文献考察:上腸間膜動脈塞栓症の治療戦略
Gastroenterol Clin North Am. 2003 Dec;32(4):1127-43. Intestinal ischemia. Burns BJ, Brandt LJ. 要旨:上腸間膜動脈塞栓症(SMA embolism)は腸間膜虚血症の50%を占める.治療方針は,閉塞部位がileocolic arteryより中枢側(major embolus)か遠位側またはSMAの分枝(minor embolus)か,完全閉塞か部分的閉塞か,腹膜刺激症状の有無による(図).SMAが塞栓で閉塞すると閉塞部末梢の血管だけでなく非閉塞部の血管まで強いvasoconstrictionを起こす.そのvasoconstrictionをpapaverineで拡張させる治療法は極めて大事な要素であり,留置したSMAカテーテルに術前から30〜60mg/hで注入する.溶解療法はminor embolus,部分的閉塞例や発症から12時間以内の症例で成功する可能性がある.
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