文献考察:魚骨による消化管穿孔の穿孔部位(表) 術前にCTで診断できた,魚骨による下行結腸穿通の1例
Author:團野克樹(八尾市立病院 外科), 福島幸男
Source:日本腹部救急医学会雑誌(1340-2242)24巻7号 Page1179-1182(2004.11)
Abstract:85歳女性.患者は左下腹部痛を主訴に救急搬送となった.入院時,左下腹部に限局する圧痛,反跳痛を認め,腹部X線では小腸ガスの増加を認めた.腹部CTで下行結腸背側の後腹膜腔で膿瘍像を認め,腸管壁との境界部には約3cmの高吸収域を示す異物がみられた.詳細な問診の結果,2日前の夕食に鯛のあら炊きを食べていることが判明し,魚骨による下行結腸穿孔との診断のもと,緊急開腹術を行い,膿瘍ドレナージ後に下行結腸部分切除を施行した.摘出標本では,下行結腸穿通部に突き刺さる鯛の顎骨が確認された.術後経過良好で,術後22日目に退院した.
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